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ある人が苦難に見舞われることをなにかの報いとみなしたり、因果を説明してその仕打ちに屈服することは、不当である。不条理な世界のなかでどんなに苦難がつきまとっても、罪深い生はないし、生きるに値しない生もない。不条理を前に人はそれを認めつつ苦悩しなければならない。そして、生きることは、よい。
いま引用しながら気づいたけど、これコンテクストがないと凄い文章だな。
まあ実は楳図かずおとか読んだことなかったりするんだけど、でも「頑張る」ことに対して付与されすぎなクリーンなイメージを木端微塵にするくらいの強靭な文章だと思った。と思うからばかりではないけど、繰り返しこのセンテンスのはいってる文章を読み返してる。
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実に10数年ぶりに歯医者へ行き、人生で初めて歯の神経を抜いた。ただいま麻酔の切れた痛みで苦悶中。
それにしても最近の歯医者は凄くて、虫歯の箇所とか削ったあとのぽっかり穴の開いた歯とかをいちいちカメラに撮って見せてくれるんだけど、それを指差しながら、ねーほらこんなに虫歯が進行しちゃってますよー、とか言われてもそもそも健康なそれの状態を知らないのだからリアクションのとりようがない。
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会社から帰ってきて予定表を開いたらなんと土曜の明日も出勤日で、実に数年ぶりに目眩というか視界がくるくる回って、まわるまわるぐるぐるまわる、吐くまで踊ったりはさすがにしなかったけど。
いいかげん大江健三郎を読もうと『万延元年のフットボール』を買った。
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連休の最終日。正午くらいに起き出して髪を切りに行く。初めてはいる美容院はやっぱ緊張してしまう。
その足でレンタル屋へ寄り、『リンダリンダリンダ』を借りてきて鑑賞。まず、何も意味がないと認識しながらそれでもそこにのめり込んでしまう、危うさと紙一重の、でも危うくない、そういう姿勢は素敵だと思った。別に元気になったり癒されたりはしなかったけど、つーかだからかこそびっくりするぐらい心を動かされてしまった。教師役で出てた甲本雅裕は確か甲本ヒロトの弟とかで、そういうキャスティングをするこだわり方とかも嫌味っぽくないし、つくづくいい映画だなーと。
あと何の前提知識もなく観たから湯川潮音が普通に出ててびっくりした。
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