土曜日

久々に暇な土曜日。授業も休講だし、説明会とかの予約も入ってないし、堂々と「今日は暇だ!」と胸をはれる土曜日。
以前から観よう観ようと思って機会を逸していた、ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』を借りてきた。観終わったあとたまらなくなって三浦しをんの『むかしのはなし』を再読。いずれも「語る」という行為に対してひどく肯定的であり、しかもその姿勢が語られるもののフィクション性みたいな問題を決して無視することなく、むしろ積極的にそこへ近づこうとしていて、その上でなお「語る」行為を肯定してしまえる、というかその行為に取り組んでいこうとするっていう点で一致してて、私はそれを凄いなと思ったし、とても心強く感じてしまったりもした。
そのあと星野智幸『在日ヲロシヤ人の悲劇』を読む。「砂の惑星」なんかを読んだときにはその端整さとかっこよさに素直に感動できたのだけど、たとえば初期の作品に見られるラテンアメリカへの拘泥みたいなものと、『ロンリーハーツキラー』とか今作とかに描かれている国家なり家族なりへ傾けられている視点って、やっぱどこかで連続してたりするんだろうけど、私はそれを上手く自分の中で整理できずにいて、その思いが今作を読んでますます大きくなってしまいもやもやした。