あのね…温泉卵の匂いがするの…

「『アマデウス』を高校の音楽の授業で観るのだけど」と妹に聞いて、ずいぶんインテリ(ジェンス)な学校だなと思いながら、予習をしたいと言うのでDVDを貸してやったのだけど、思えば私が高校の頃は(こういう言い方が危険だと自覚したうえで言う、)いわゆる文化的なものを中学や高校の授業から吸収することはなかったし、浪人時代も予備校の講師が(これも危険だと自覚して)ポストモダン野郎か学生運動崩れか両極端だったんでそういうものとは程遠かったんで、大学に入ってから苦労したんだったなあ。
たとえば「君、映画とか何が好き?」と訊かれて「『猟奇的な彼女』かな」と答えてしまえば皆から白い目で見られるし、「音楽は?」と訊かれて「ELT」なんて言えない雰囲気が漂っていたし、いやそれは決して強制ではないのだけど、ある共同体の中で一律に行使される以上れっきとして圧力なのであり、私はそれに屈して『アマデウス』とかDVDまで買って観てしまったのだけど、今考えるとあの先輩とかあの教授とか、お前ら文化資本とか言ってんじゃねーよエセ左翼がッ!と腹立たしいことこのうえないのであった。