感動したこと

チューリップをまともに聴いたのはもう3年ぶりぐらい。確か中学生ぐらいのときに夢中になって、CD集めまくってたら、ちょうど再結成したから武道館にライヴ観に行って、そんで少し失望してしばらく聴かなくなったんだった。
あのときの失望をいまも上手く語ることはできないけど、それでも歪に語るとするならば、たぶん私が財津和夫に感じた老いとかでは全然なくって、むしろ彼らが老いる中で変えてしまった音楽観のようなものにがっくりきてしまったのかもしれないと思う。もちろん私はリアルタイムにチューリップを知らないわけだから、本当はそんな偉そうに物言う資格なんてないのかもしれないけど、ただあの日あのとき武道館で観たチューリップは温かすぎた。確か財津氏もMCで言ってたけど、ほんと「同窓会」ノリだった。演奏もはっきり言って上手かったけど、上手いだけの演奏に私はとてもじゃないけど感動できなかった。だって私はまだ中学生だったし、もちろん音楽の詳しいことなんてわからなかったけど、それでも私が武道館に求めていたのはギスギスした、安心なんか微塵もできないポップスの表現であって、それは決して温もりのある音楽ではなかった。
中学生の私が聴いたチューリップの凄まじいラディカルさが、大学生になった私の耳に今日も届いたことが、それは単なる「久しぶり〜」的な新鮮さにその大部分を担われているとしても、そして単に中学生の私が世界にある音楽の多くを知らなかっただけだとしても、ただただ嬉しい。いま私が一万円札を持ってたら迷わず窓から投げ捨てるだろうってぐらいに、金なんかもはやいらねぇよってぐらいに、嬉しい。
ま、一万円とかないけども。