岩井俊二監督『スワロウテイル』

個人的に岩井俊二の映画は好きではなくて、それはたぶん私が彼の作品を美しい映像の羅列(と端整すぎる、紋切り型のストーリー)としてしか観られないからなのだけど、『スワロウテイル』もやっぱそういうふうにしか観賞できなかった。たしかに死体を埋めた帰途に三上博史が怒鳴り歌う「マイウェイ」は良かったけど、そもそも成功(と失敗)へ向けて物語が動き出す契機として死体が配置されるっていう、そういう構造はもうリリィシュシュだけでいいじゃんって正直思った。