文化の日

今日が祝日だったということをもう今日が終ろうとしている23時現在はじめて知った。
そのこととは全然関係ないけど、まえどこかのサイトで菊地成孔オレンジレンジフリッパーズ・ギターを対比しながらサンプリングの何たるかを半分すっとほけながら語ってる記事を読んだことがあって、そこでフリッパーズはちょっと全然つまんないよって言っててその論理展開とか全然忘れてしまったんだけど、何故か少し納得してしまった記憶だけが鮮明に残っている。フリッパーズ・ギターはむしろ好きで聴くと切なくなったり回顧するとわりにネガティヴな感慨を抱いてしまうような元気の出方はするんだけど、でもやはりというか何というか全然感動はしたことなくって、そういう個人的な感想がそう感じさせたのかなとは思う。
でも今日はじめてフリッパーズのライヴ盤『on PLEASURE BENT』を聴いて、上記のような思いはわりと解消されたっていうか、つまりとても感動してしまった。「カメラ!カメラ!カメラ!」が獲得した疾走感や「恋とマシンガン」や「boys fire the trico」を歌う小山田圭吾のがなり声は、もはや素晴らしすぎてとにかく感嘆を禁じえない。んでこの感動とは、たぶん演奏の上手さや構成の緻密さといったものではなく、むしろフリッパーズ・ギターのわかりやすい情熱だったりわかりやすい興奮だったり、そういうものに端を発しているのではないかなと考えている。
それにある種の加速はそこに情熱を幻視させがちで、こうした感動もそれに類するものではないのかと聞かれればそれを否定できないような気はする。けど私はある種の加速によってそこに幻視される情熱ってけっこう大事だと思うし、何はなくともフリッパーズはつまんなくないじゃんって、別にこの感想をライヴ盤以外のアルバムとかに普遍化しても仕方ないとは思うんだけど、まあそう感じられてよかった。