オムニバス映画

友人宅で友人がたまたま借りてきていた『Jam Films』を観る。7本入りで、正味2時間なかったと思う。まあもう3年くらい前の作品だけど、コンセプトとしては日本で活躍する新進気鋭の若手監督の短編作品を集めたオムニバスって感じかと。まあ岩井俊二とか北村龍平とか若手じゃないけど。
一番印象深かった作品は堤幸彦の『HIJIKI』。作品自体の面白味っていうよりも、それはむしろ堤がこの作品を撮った理由というのは、ラストシーンで呟かれる台詞を言わせたかったからなのだろうなということが容易に想像できたから。その台詞はまあ別に深淵なテーゼとかを表象するようなものではなくって、むしろギャグとか駄洒落に近い種のものであり、その一言によって何人かの観客や評論家が見出してしまうかもしれない作品の前衛っぽさ(別に前衛的手法が使われてるわけではないけど)だったり、ある種のテーマだったりっていうものを無化するっていうか、この作品に何らかの批評を向けるという営為自体を戯画化しているよね、しかもそれを狙ってるわけではなくって結果的にさ、というような台詞。
つーかそんな堅苦しく言わなくても、堤幸彦の動機って案外そういう「面白さ」を見せつけること、作品を賭けたギャグを提示するという部分に根差しているのかもしんないなーと思ったけど、これを書きながらでも『溺れる魚』とかあるしなー、しかも私は堤さんの作品全部観てるわけじゃないしぶっちゃけほとんど観てないし…とか考えています。